日本海側で雪が降ると、福島県の浜通りは大風が吹く。この地域の気候を思い出してきました。クリスマスの次の日、珍しく雪が積もり、その日からより一層肌を刺す寒さが続いています。
ーー開業準備は今月中旬に解体工事が始まり、大きく動き出しました。店舗の不用品を処分してから解体工事までの流れを具体的に記します。
10/7 建築士の方に店舗内見していただく
10/9 店舗デザイン第一案
10/26 福島県12市町村起業支援金交付決定
11/11 改修工事費見積もりが提示される
11/12 店舗デザイン第二案
11/18 改修工事費再見積もりが提示される
12/6 工事契約締結
12/13 解体工事開始
12/15 金融機関・公庫との面談
12/21 融資決定通知
協力者の方たちのお力添えもあり、順調な流れで進めることができました。昨年の今頃はこの一連の流れが全く分からず、予測ができなかったので不安に思って過ごしていました。起業の第一関門である資金調達もクリアすることができ、とりあえず一安心です。
【分かったこと・学び】
○改修工事の見積もりは、内見→店舗デザイン完成から1ヶ月くらいかかる
▶︎電気工事・空調工事・設備工事など、それぞれの工事を担当する業者へ建設会社が見積もりをお願いするためです。各所から見積もりが出て、やっと総工費を建設会社が把握できるという流れを知りました。
○支援金や補助金は年度内に行う事業に支払われる=年度内に開業準備を終わらせる必要がある
▶︎私たちの店舗の改修工事では、県の支援金、市の補助金を申請していることにより、かなり工期に縛りがあることがネックです。特に県の方は2/15までに工事と支払いを完了させなければならないという、最大の縛りがあるので建設会社の方には無理を言って動いていただいています。支援金・補助金は基本的に年度内を跨ぐことができないので、そこがなかなか大変です。
○土日は基本的に役所関係・業者共に動きが止まること
▶︎これもかなり焦りました。申請関係や見積もり依頼などは、平日にどれだけ話を進められるかで進捗が変わります。
○コロナによる世界的な半導体不足のため、新規の厨房機器の受注停止や生産遅延が発生している
▶︎私たちは店舗に残されていた中古の厨房機器を主に使うため、とても運良くこの影響を逃れることができました。新品の厨房機器は先に支払いを済ませて、納期に間に合うように調整しました。内装に関しても一部影響があるようです。今ある機器が壊れてしまったら...それはその時なんとかします。
○依頼にすぐ応えてくれる業者と、そうではない業者がいる
▶︎開業準備中、そして開業後も様々な業者の方にお世話になります。依頼の始まりは基本的に見積もり依頼がスタートなのですが、その日のうちに話を聞きに行きます!と言ってくれる業者がいたり、電話対応が良くても見積もりの結果がいくら待っても来なかったり...。事業をする以上「すぐやること」を怠ってはいけないなと教訓になりました。
○新規創業者として融資を成功させるためには【事業計画書】と【自己資金】が重要
▶︎初めて事業を始めるとなると実績ゼロからのスタートなので、融資を採択する側に「どれくらい信頼できる人物なのか」を証明する必要があります。信頼を得るために私たちが示せたのは【事業計画書】と【自己資金】でした。このことについては、次回のブログで詳しく綴ろうと思っています。
ーー店舗のデザインに関しては、いろいろありました。契約した物件が計画していた広さより1.3倍くらいあったので、広さに釣り合うように席数を配置してもらいました。その結果26席になるという...(机上の計画では14〜16席でした)4名席に2名をご案内するようにしたり、予約の時間を調整したりすればなんとか、営業できる範囲内だと考えていました。
しかし、これを根本から考え直さなければいけないことが起こりました。
第一案として提示された見積もりが《希望額の3倍》
あれ〜?希望額はどこに消えたの〜?と思いました(笑)改修工事の第一案は、私たちと建築士の方、建設会社の方が考える『理想のお店の計画』だったのです。理想を叶えるためにはお金が必要です。でも、第一案を実現させるためには到底お金が足りませんでした。
支援金・補助金を交付していただけるからといって融資希望額を増やすのは、かなりリスキーと考えました。その結果
○店舗の構造上作ることが可能だった個室の工事を中止
○元々2部屋あったトイレを1部屋に変更
という決断をしました。建築士の方と建設会社の方にはもったいないよ!と言われましたが、もちろん悔しかったです。私たちの中では『封印』と呼んでいます(笑)
まずはお店をオープンさせることが第一。営業ができないと1円もお金を産むことはありません。
経営のために必要なものなのか。
自己満足を満たすためのものなのか。
見極めて決断していかなくてはなりません。師匠に言われ続けていたことが、今現実になって起こっていることに実感が湧いてきました。「いろんな問題が次から次へと出てくるから、ある程度覚悟しておけよ。」そうアドバイスをもらいました。
ーー2021年も残りわずか。私は1〜7月を川越市で過ごし、8月からは南相馬市で過ごしました。主人とは離れて暮らしながら、お互い別々の場所で沢山の方にお世話になりました。主人は12月末に修行生活を終えました。コロナ禍となっても雇用をしっかり守ってくれたグローバルダイニングには感謝しかありません。
主人も1月中旬には南相馬市民となります。新生活の準備も開業準備と並行しながら、進みつつあります。
ーーM-1グランプリが終わって、クリスマスが終わったら、いよいよ年末だなぁといつもは感じでいます。しかし、今年は年末という気分がしません。12月に開業に向けての店舗の解体工事が始まったことで、終わりというよりは「これから始まる」という気持ちが強くて、初めて体験する不思議な感覚です。
やっとここまできました。
皆さま、今年も大変お世話になりました。良いお年をお迎えください。そして来年いよいよ開業となるRestaurant MADYを、どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました!